誤嚥性肺炎の正しい知識は介護士にも必要!

質の高い介護サービスを実現するためには、介護の現場で役立つ医療の知識も習得し、介護士一人ひとりがスキルアップをしていく必要がある。特に高齢者が罹りやすう病気についてはきちんと理解しておかなければならない。

例えば、誤嚥性肺炎はその1つだ。高齢者は嚥下する力が弱っているため、雑菌を含んだ唾液や食物が誤って気管や肺へ入り込むことがよくある。そのため、誤嚥性肺炎を起こしてしまうのだ。ちなみに高齢者が罹患する肺炎のうち、約70パーセント近くが口腔内の細菌に由来する誤嚥性肺炎だと言われている。

そこで誤嚥性肺炎の発症リスクを抑えるために、介護士は誤嚥性肺炎の予防方法を学んでおくべきだろう。口の中が汚れていると細菌の繁殖が活発化するので、食後は歯間に残っている食べカスや蓄積した歯垢などを除去する口腔ケアをマスターしてほしい。それから、口腔内の脱水予防についての知識も重要だ。口腔内の水分量が減ると、唾液の量が減ってしまい、それが細菌の繁殖を促進してしまう。そのため、うがいやこまめな水分補給が高齢者には欠かせないのだ。

また、睡眠中に誤嚥が起こる場合もある。仰向けに寝たままだと、唾液が喉に落ちやすくなるため、誤嚥のリスクが高まるのだ。このようなことは、介護士も知っておくべきことなので、「医療のことは医師や看護師に任せよう」というスタンスを取るのではなく、手厚い介護のための知識として身につけておいてほしい。