医療の知識を介護士が身につける必要性

医療従事者ではない介護士は、基本的に医療行為を行うことは禁止されている。しかし、だからと言って介護士が医療に関する知識を持ってなくてもいいのかというとそうではない。要介護度が高い利用者の中には、介護と併せて医療を必要としている人も少なくないし、手厚い介護サービスを提供するためには、医療に関する知識も欠かせないからだ。

それに近年は、研修を受けた介護士は、喀痰吸引や経管栄養などの医療的ケアもできるようになってきた。高齢者の増加に伴い、介護士ができる医療行為の範囲は広がりつつある。したがって、介護士としてキャリアアップをしたり、仕事の幅を広げるためには、高齢者に多い疾患について学んだり、介護士にもできる医療行為を習得することは重要なのだ。

24時間体制で利用者をケアする介護施設の中には、医師や看護師が在籍しているところもあるが、夜勤時は介護士だけで入所者のケアを行うことになる。しかし、夜間でも利用者の体調が急変することがあり、そのような時には介護士が適切な対応を取らなければならない。介護士は医療的なケアができないものの、医療に関する知識があれば、入所者の変化にいち早く気づくことができ、スピーディーに対応ができるようになるからだ。緊急時には、介護士の対応の速さが入所者の命を左右することもあるので、医療に関する知識は持っておいて損はないだろう。

ちなみに介護福祉士の国家試験では、医療ケアについての問題も出題されるそうだ。そのため、介護士として成長したいのなら、日頃から高齢者の健康管理や医療について勉強をするようにしてほしい。