寝たきりの方の介護で欠かせない褥瘡について

高齢者や障がいを持つ人のお世話をする介護士には、医療の知識は必要ないと思う人が少なくない。しかし、介護を必要とする人の中には、持病を持っている人もいる。また、寝たきりになっている人の介護では、医療の知識や処置の方法を知っておかなければ、適切な介護が提供できないこともあるので、実は介護士にも一定の医療の知識は必要なのだ。

たとえば「褥瘡」については、介護士も知っていなければならないと言われている。褥瘡とは、寝たきりの利用者がかかりやすい床ずれのことだ。高齢者の肌は保湿機能が低下し、乾燥しやすくなっている。また、弾力性もないので、傷つきやすい状態にある。さらに、食事の摂取量の低下などで痩せてしまった場合には、骨ばった箇所の皮膚が痛んでしまうため、褥瘡ができやすくなるので、介護士は早期発見と、悪化の防止に努めなければならないのだ。

したがって、褥瘡に関する知識は介護の現場では欠かせない。褥瘡ケアは看護師が行っても、適切な体位交換や入浴時の皮膚の保護などは、介護士の役目になる。そのため、介護士は看護師と協力して、褥瘡の予防やケアを行う必要があるのだ。

医療現場では、患者に褥瘡を作ることは看護師の恥だと言われているそうだが、実は介護士にも当てはまる。寝たきりの利用者がいる施設では、褥瘡が出来るリスクは高いので、介護士も褥瘡についての知識は身につけておくべきなのだ。今回は褥瘡について語ったが、他にも介護士が知っておくべき医療の知識はあるので、要介護度が高い利用者と接する機会が多い人は、ぜひネットや書籍などで、勉強しておくといいだろう。